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67. マザー・テレサの語る“伝染”

執筆者の写真: Yasuko KasakiYasuko Kasaki

『奇跡のコース』(『奇跡講座』)を学び始めて25年になります。この『コース』は、スピリチュアリティを土台にした心理療法の完全なカリキュラムです。スピリチュアリティとは、わたしたちが、人間であると同時に霊的存在であるということで、心理療法とは、心身両面にわたるあらゆる疾患の治療はたった一つ、心の訂正である、という観点を示しています。 あらゆる疾患のただ一つの治療法? そうなのです。もちろん、処方薬や手術、点滴、塗り薬等々、わたしたちが必要とする“助けとなるグッズ”化学的なものであれ自然療法であれ、さまざまあるかもしれませんが、その中には、完璧な治癒に導くものはひとつもありません。 すべての疾患、そしてあらゆる問題は、心が作り出した苦悩のドラマなので、心を訂正することでしか、そのドラマを消して幸せなドラマに変えることで、癒しを経験することができます。 心が恐れを見るならば、必ず苦悩のドラマが進行し、心が愛を抱くならば、幸せのドラマが崩壊することはありません。 病気は、人生のすべてを、恐れを通して見るように仕向ける装置と言えます。自分が、または自分の大事な人が重い病気になったら、心の中は、恐れでいっぱいになります。病気そのもの、その先に見え隠れする死、経済的な窮乏、人生設計の崩壊、、、恐れの目で周りを見るなら、どの方向を見ても、恐ろしいドラマが展開されてしまっています。病気は、身体だけではなく、人生のあらゆる局面に暗い影を投げかけるのです。心理的にはさらに、自分を他の人から引き離し、孤独にします。自分の身体の痛みや不安を本当にわかってくれる人はいないからです。 新型コロナウィルスは、そのことをはっきりと見せてくれました。病気という恐れ、経済生活が破綻する恐れ、隔離される恐れ、人と人とが引き離される恐れ、、、。例えばわたしもその一人ですが、祖国を離れて生活する人が数え切れないほどいるこのグローバルな時代に、国家間の行き来が制限されるなどということは誰にも想像できなかったのではないでしょうか。そしてそのウィルスが、恐慌を引き起こすだけの猛威をふるえるなんて? そこで、私たちは、「早く元に戻らないかな」ではなく(蜜月は終わりました。元には戻れませんよね)、「どこに着地したいか」を真剣に考えなければならない機会を得たわけです。 かつて、超心理学協会理事、ニューエイジ協会理事、大学教授などを務め、『コース』の誕生に関わったジュディス・スカッチさんは、80代半ばを超えた今でも世界各国に散らばる『コース』の学習者にさまざまな形のサポートを惜しみません。その彼女がシェアしてくれたことをわたしもここでシェアさせていただきたいと思います。 マザー・テレサが、ニューヨークの『コース』の作業場(コロンビア大学の一室)を訪ねたときの話です。マザー・テレサは、初対面のジュディスの手を取って、「あなたは大変な病気を持っていますね」と言ったのだそうです。「何の病気でしょうか?」「魂が失われるこの世の伝染病に侵されています」「治るでしょうか?」「もちろんです。治療薬は愛。そしてラッキーなことに、愛は伝染します」 私たちは愛と恐れのどちらの伝染のクラスターにいたいかを自分で決められるのですね。


( 初出誌 Linque Vol. 68 発行 : 国際美容連盟)



 
 
 

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香咲弥須子

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