祈りに正直さとまごころを込めるためには、
指揮者交代
の必要性を認めたいと、前に書きました。
自分が人生の指揮をとっているつもりになっているとき、わたしたちは、その「つもり」にしがみつくために、どうしようもなく頑固になっています。
ご自分のまわりに、どなたか、「なんて頑固な人だろう」と思う方がいますか? いるとしたら、それは、
実は自分が頑固なのです。
自分が頑固なので、相手の思いにぶつかっていき、摩擦を起こし、心をざわつかせているのかもしれません。ざわついた心がさまざまな形で投影されて、“問題”があちこちに漂い始めます。
自分がただ素直でありさえすれば、人生に、頑固な人は現れません。
しなやかな枝と枝は、やさしく絡まり合い、お互いの動きを感じ取りながら、それぞれが成長し伸びていきます。
硬い音をたててぶつかり合うのは刃物のようなものです。刃物と刃物は、決して寄り添うことがありません。
自分では思いもよらなかった言動を誰かがしたとして、そしてその人が、自身の正しさを主張してやまなかったとしたとして、反撃に出ようとしている自分がいたら、ちょっと立ち止まりたいものです。
反撃?
なんでそんなことを?
もちろん、その相手と同様、自分の思いと言動が正しいと主張したいからです。
でも、
主張なんて、一切、しなくてよいのです。
自分の正しさなんて、叫ばなくていいのです。
ただ、そこで起こっているように見えることを眺めわたして、
いろんな考え方があるんだなあ、と、
今、自分がこれを見ているのはなぜなのだろう、と、
そのように、立ち止まって思いを馳せるなら、気づき、を得るのではないでしょうか。
いつしか自分が指揮者になって楽団をコントロールしようとしていたことに気づく。
自分は実は指揮者ではなかったことに気づく。
楽団をコントロールするのではなく、素晴らしい楽曲を共に聴いて、讃えたかっただけなのに、と気づく。
すなわち、
自分のアイデンティティを誤解していたことに気づくかもしれません。
わたしたちは、自分が属している社会、文化の主張に従って、価値判断をする傾向にあります。
わたしはなんであの人のようにできないのだろう。
うちの子はなぜ他の子のようにできないのだろう。
等々のことは、心の底からの願いとは何の関係もありません。
ニューヨークにわざわざやってきて暮らしていながら、
だって日本の社会ではそんなことできないじゃないですか。
インドではそうしなきゃならないんです。
ロシアの親はそれだけを望んでいるんです。
中国では、、、インドネシアでは、、、マダガスカルでは、、、
今まで、それはそれは、多くの制限を耳にしてきました。
そんなふうに、自分のアイデンティティを、日本人、インド人、ロシア人、等々と限定しないで受け取るならば、もっとゆったりした気持ちで、自分も家族も祖国も幸せに、のびのびとできる道を見つけたい、と願うことができるかもしれません。
そもそも、
自分は人間だ、という決めつけを疑っていいのではないでしょうか。
自分は女だ。日本人だ。何よりひとりの人間だ。。。という決めつけ。
それでは自分は、熊や虎や犬やカラス、松や杉や薔薇の花、リンゴやイチゴ、バクテリアやアメーバとはまったく違う存在なのでしょうか。川や海は? 金星や銀河は?
わたしたちは皆、霊的存在です。
万物は霊です。
いつのまに、人間になり、日本人になり、霊、つまり本来の自分自身とかけ離れた存在に規定してしまったのでしょうか。
その間違いを取り消したい、というところに思いが及んだら、自然に頭は垂れてきます。
なぜそんな誤った思い込みに陥ったか、
その間違いが多々の“問題”を引き起こしているのをなぜ放っておいたのか。
なぜわざわざ自分を苦しめ、人と衝突を起こしたり、葛藤で自分を引き裂いたりしてきたのか。
なぜ、他者というものを心のなかに作り上げ、葛藤や衝突をこしらえ、それをコントロールしようとしてもがく人生にしてしまったのか。
いったい何がかなしくて自分をそんな目にあわせてきたか、自分では皆目見当がつかないから、頭を垂れるしかないのです。
どうぞ、間違いの根っこを引き抜いてください。
正直でまごころのこもった祈りは、この言葉から始まるのかもしれません。
プラクティショナーの紹介は、下記のリンクをご覧ください。
http://ameblo.jp/quantum-prayer/theme-10097007177.html
「そのときから、毎朝一度絶対の注意をはらって主の祈りをとなえることを、ただひとつのつとめとして自分の義務にいたしました。このおつとめの効力は異常なもので、いつも驚きました。わたくしは毎日その効力を感じているのに、いつもそれが期待を超えるのです。 」(「奇跡のコース」のワークを学ぶガイドブック9 「祈りのある生き方 」より。シモーヌ・ヴェイユの著作から抜粋)
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