1. ジェフリー・ミロノヴ Jeffrey Mironov

「ACIM では、誰もが奇跡を体験できる、誰もがミラクル・ワーカーであれる、と教えています。また、誰もがそれを学ぶことができるが、学ぶことと教えることは同じことである、とも教えています。その実践者たち、真実を教える教師、神を教える教師を、ACIM では、神の教師と呼んでいます。このコーナーで、みなさんにご紹介していきます。」

第一回 ジェフリー・ミロノヴ Jeffrey Mironov

ジェフリーとは、彼が、<ACIM の教師たちの会> を始めるにあたって、わたしにも参加を呼びかけてくれたときに知り合い、それから大事な友だちになりました。彼は成功したジャズ・ギタリストで、日本にも何度もツアーに行ったそうです。アッパーウエストの、ハドソン川沿いにあるゴージャスなアパートメントに、奥様のブレンダと、二匹の猫と住んでいて、訪ねると、いつも、細身のパンツとアロハ・シャツで迎えてくれます。

ジェフリーには、昨年のCRS二周年パーティで What the bleep do you know?! を上映した際、小さな討論会をリードしてもらいました。参加なさった方は覚えていらっしゃるでしょう。
今回は、彼の58回目のお誕生日にお宅にお邪魔して、お話をうかがいました。リビング・ルームに大きく切り取られた窓の向こうに、一羽の鷹が悠々と旋回するのを眺めながら、おしゃべりが過ぎてしまい、ディナーの時間をすっかり遅らせてしまったようでした。

ー ある革命的なことが起こって、それからすべてが変わった、といつも話してますよね。そのお話から聞かせてくれますか。

「それまで僕はずっと、自分から逃げてたんだ。そしてそれはかなり成功していた。ギタリストとして成功していて、ブレンダとのリレーションシップも始まっていたし、このアパートメントを手に入れたし、すごくいいギャラももらっていたし、ワールドツアーもどんどん規模が大きくなっていってた。でもね、大成功するって大問題なんだよ(笑)」
「いろんなことに成功すれば自分から逃げ切れると思っていたら、実は逆で、どんどん落ち込んでいった。ひどい気分でプレイして、するとみんなが、すごい!なんて言う。もう最悪。このままやっていけば、もっとビッグになってしまうだろう、それで僕がハッピーになることはあり得ないだろう、とわかってしまってね。これではダメだ、と真剣に思い始めたんだ」
「革命的出来事は、1980年の2月に起こった。流感にやられたんだけど、あんなにシビアなのは生まれて初めてだったね、一週間で 15ポンド減ってさ。それでやっと身体が快復期に入ったかなと思った頃、今度は、どういうわけか、激しい怒りがこみあげてきたんだよ。根の深い、ほんとに激しい怒りの感情でさ、自分がそこまで腹をたてる理由も相手もいなかったから、自分でただ驚いてた」
「部屋の掃除に来てくれるフランシスという女性がいて、彼女がその日も、いつものように世話してくれていたんだ。彼女が、紅茶とトーストを持ってベッドルームに入ってきた。そのときに、説明のしようがないんだけどもね、何か、とてつもない優しさと慈愛みたいなものを彼女に感じたんだよね。フランシスという存在を初めて見たっていう感覚。それで同時に、自分という存在のことも知ってしまったっていう感覚だった。何かが自分のなかで壊れて、壊れた場所から愛が出てきたっていう感じ。うん、はじめての感じだったけれども、それが愛だってすぐわかったよ。圧倒されて、ぼくは泣き出してしまった」
「でも、革命が始まったのは、そのあとだった。その夜から。ベッドで目をつむるとね、自分の人生のシーンが次から次へと現れるんだ。子ども時代に何がどのように起こっていたのかも、はじめてクリアに見た。そう、死ぬ間際には人はそうやって人生を振り返るものだっていうじゃない。まさにそんなふう、まさに走馬灯のようにってやつだったんだ。だから、ぼくは間違いなく死ぬんだと思ったよ。でね、死んでも全然問題なしって感じたんだ。だって、うまく説明できないけど、何よりも深くて美しいものを見ているって確信していたからなんだ」
「目をつむるたびに、それが見える。毎晩、同じ経験をする。一週間、続いたね。うん、ブレンダにはもちろん話した。なんとか言葉にできることを言葉で伝えた。彼女は、ある程度まで、ぼくに何が起こっているかをわかってくれていたと思う」

ー 自分では、何が起こっているか、わかっていましたか?(笑)

「うん、次々に、際限なく、それを見ながら、理解しはじめていたね。それでも、その一週間が過ぎて、自分が突然イエス・キリストの人生を語りはじめたときは驚いたよ。イエス・キリストの人生のあれこれをぼくが知ってるわけがないんだ。知らないはずのことを、自分の口がべらべらとしゃべり出したんだからね。しかも、ぼくは、愛の意味についてもとうとうと述べ立てているんだよ。自分が話す愛の意味とやらを自分で聞いて、へえー、って感じ入ってたね」

ー 今まで自分自身だと思い込んでいた部分=エゴ=がほどけて、今までそんなものが存在するとも想像しなかった部分=スピリット=が踊り出てきたということですね。しゃべっているのはいつものジェフリーだけど、でもジェフリーではないんですよね。そして相変わらず、今までのジェフリーもそこにいるわけでしょ。そういう心の状態を体験して、人生模様はどんなふうに変わりましたか。

「何にも変わらない。そして、全部、違う」(笑)。
「ギター・プレイもすばらしい。どこで何をしていてもすばらしい。ぼくの日常の行動自体に変化はなかったはずだけど、イエス・キリストの心で生きるということだけが、毎日の興味、焦点、目的になった」

ー それが、ほんとうの自分を生きる、ということなんですね。そう言い換えてもいいですね?

「そのとおり。何をしてても、目的は同じ。どこで誰と話していても、主題は同じ。あの頃、こんなこともあった。ブロードウェイを歩いてたら、タクシーの運転手が大声で、ジェフリー! ジェフリー! って呼ぶんだよね。行くと、ルイーズだよ、覚えてる? って。二年前、ぼくの車に乗って、人生の真実を話してくれたじゃないか!って(笑)」
「<革命の日>からしばらくして、ブレンダとケーブル・テレビを観てたんだ。Esoteric Science Discipline という番組で、仏教僧、スーフィー・マスター、カバラ、いろんな人が出てきていろいろとしゃべる。そこに、ビジネスマン然とした、スリーピースを着た男が現れて、ACIM を話した。そのとき、ぼくは ACIM をはじめて知ったんだ」

ー ケンですね? (= ケネス・ワプニック。Kenneth Wapnick. ヘレン・シチュクマンと一緒にACIM の編集、校正に携わった後、ACIM を教えるFoundation For Inner Peace を設立した。ワークショップには、スリーピースをびしっと着て登場する)。

「いや。Robert Skutch. (= ロバート・スカッチ。ケンとともに Foundation For Inner Peace を設立。最初のディレクターになった。1998年没)。
彼が話したことは、ぼくが経験していることを統合して理解するために、パーフェクトだった。その晩のうちに、本を注文して、届いてからむさぼり読んだ。ACIM は、神の心(=イエス・キリストの心)につながることが不可欠ということを、明確に教えてくれる。ぼくはね、ACIM は人類の歴史のなかで、最高の教えだと思っているよ」

ー 神の心につながっている状態と、そうではないときと、混乱するようなことはありませんでしたか。思い違い、ミステイク、ということは?

「それはもちろん、ミステイクは数えきれないほどあったよ。ACIM のテキストが手もとにあるだけじゃまったく足りなかったね。たくさんのヘルプが必要だった。でもね、いちばんのヘルパーは、ぼくが教えているグループの人たちだったとはっきり言える。彼らが、「ほんとうのぼくは誰なのか」ということを見せてくれた。ぼくが ACIM のグループを始めたのが、はじめての愛の体験(笑)の日から2年たった頃で、それから25年、ほとんど毎週、途切れたことないんだよ」

ー 25年間、ほとんど毎週、ですか。それはすごい。

「教えることで、学び続ける勇気をもらう。どんな状況も、ただひとつの学びなんだってことをいつも思い出させてくれる。だから、今だってギターもプレイするしさ、何でもするけど、教えることで、いつも神とつながっていられるんだよね」

ー ACIM が教えてくれることを、あらゆるものにあてはめていく、それが人生という時間の使い方なんだって理解しています。そのように生徒さんたちに教えながら、自分という生徒にも教えるって感じですね。

「そう。ぼくの人生は、以来ずっと、<聴いて、与える> という一点になった。それでいつも何を感じているかというと、まず、無限のエネルギーだね。あんまり眠らなくていいしね。それから、イエスの人生を話し出して以降、超自然的な経験をずっとしているね。それを、自分は変わった、と言ってもいいかもしれないけれども、ジェフリーが、どんどんジェフリーになってきた、と言ったほうが正確だね」

ー ホーリースピリットにつながっていると、疲れませんね。バイタリティと愛って、同じことなんでしょうね。

「そうだね。ACIM にあるじゃない。<すべての困難のもとは自分だった。すべての嘆きのものは自分だった。心をかき乱す原因は、自分にあった>。ACIM は、あらゆる問題は、全部同じひとつのミステイクなんだということを教えてくれる。あれこれの問題は、ほんとうの自分を知るための経験として扱えばいいんだってこと。そして、ほんとうの自分にとっては、あれこれの問題なんて存在しないんだ」
「エゴのジェフリーは、判断し、価値を確かめ、考え、自分を守り、ということだけしかしない。そのジェフリーに戻ってしまうたびに、疲れたり、どこかが痛かったり、だるくなったりする。これがもう、我慢できなくなっちゃったね。ほんとうのジェフリーでいるときの状態を知っちゃってるんだから」
「わかるでしょ? ほんとうの自分を知っている、ということが、何に対しても、完璧な薬っていうわけだよ」
「神は愛を創造した。ほかのあらゆるものは、あなたが勝手に作り出した悪夢である。イエスはそう言っている。自分の考えの内には答えはないんだっていうことだね」
「ぼくは、何ひとつ行なっていない。ぼくはただ、ゼスチャーしているだけ。ぼくの話すことも、プレイする音楽も、なにもかも、ただほんとうの自分を表現しているだけのことなんだ。ただひとつの感情(= 愛)と、ただひとつの理解(= ほんとうの自分)と、ただひとつの聖なる創造力をね」

ー あらゆる宗教もそうだし、昨今では、覚えきれないほどの種類のヒーリング・メソッド、エナジー・ワーク、セラピーがあふれているけど、何を目的としているかは、たったひとつですね。

「それはもう、たくさんの情報がある。みんな、忙しく、あっちのセミナー、こっちのレクチャーと走り回る。ああ、なんてすばらしいんだ!と感じて、で、自分の人生に戻って・・・(笑)・・・相変わらずどーんとした重いものが横たわってるんだよね。今は、受け取った情報を、自分のなかでしっかり統合していく練習のときだね。そして、ひとりひとりの統合が進むとき、全員が加速して成長していく。ほんとうに、今は加速のときなんだよ」

ー たとえば、アルカリ性の生きたものを食べて、からだをアルカリ性に保つというダイエットの情報は、非常にスピリチュアルなダイエットとして大勢のリーダーたちのライフスタイルを変えましたね。その情報をわたしはあなたから教わった。

「ぼくは三十年間菜食主義者で、果物と、パスタ少々を食べ、寝る前に豆乳を飲むのが習慣だった。それで問題なしって信じていたよ。歯茎の問題があったんだけど、それはしかたのないこと、受け入れて共存していくものと思ってた」
「去年の今頃、ブレンダが、アルカリ食のダイエットを徹底するっていうんで一緒にやったんだけど、それが驚いたことに、果物を食べない、豆乳を飲まない(注:酸性の性質を持つものは食べない)ってことがつらくて、つらくてさー」
「ああ自分は、知らぬうちに、こんなにも特定の食べ物に依存していたのかって気づいてびっくりした」

ー 食べ物に依存しているというよりも、食べ物に馴染んでいた過去に依存していると言ったほうがいいかもしれない。

「そうね、思いがけないエゴの抵抗にあったわけだね。朝っぱらから緑の野菜をぱくつくなんていう生活は初めてだったからね。でも、昔から悩まされていた歯茎の問題は、二週間で完全に治った」

ー すごく象徴的な、いいお話です。なぜ象徴的かというと、今まで食べていたものをやめる、という簡単に聞こえることは実はとってもむずかしくって、エゴ(=過去)を選ぶのか、スピリット(=ほんとうの自分、今、神聖さ)を選ぶのか、選択を迫られる。そこで選びさえすればいいところを、避けて、病や死を選ぶということが茶飯事ですから。スピリットを選ぶと、そこに奇跡が起こる、それを、ホーリースピリットは、一個の果物、腫れた歯茎、というような小さなものを使って、教えてくれるんですね。というより、学ぶチャンスを用意してくれているわけですね。そのチャンスを生かすか殺すかは自分次第で。
ー わたしもアルカリ性のものを食事の中心にしているけれど、調子がいいですね。それでも「これを食べると調子を崩す」ことがわかってて、食べてしまうことがあって。欲求で食べてしまうということは、もうないですけど、間に合わせで食べるということがね。すると体調にすぐ出ます。で、なぜわたしは「間に合わせのものが必要」と思ったのか、なぜ「野菜ジュースを作る暇はない」と思ったのか、等々と考えて、その思いが「完全な、ひとりよがりの思い込みだった」ということがほんとうに受け入れられると、エネルギーが戻ってきますね。

「エゴという幻想は消えるわけじゃない。恐れがなくなるわけじゃないんだね。たとえば、死というものは存在しない。でもぼくは、死を信じてしまっている、ということがあるんだ」

ー お母様が亡くなられたのは昨年の12月でしたね。

「ぼくたちは、母の死を迎えて、<何も失ってはいない>ということを思い出した。母が亡くなったホームの部屋で、ぼくたち家族は料理と飲物を仕入れて、祝宴をあげたんだよ。そうしたらホームの人たちがそれを見つけて、みんな参加して、大宴会になっちゃった。どんな瞬間にも、ぼくたちは祝福されている。どんな瞬間にも、ぼくたちは祝福しているべきなんだ」
「こうさせてくれたACIM に感謝している。ACIM は、どの箇所も、ほんとうに貴重なヘルプをくれる。だから、自分がほんとうの自分になるなら、自分もまた、貴重なヘルパーになるんだね」

ー 今、特にヘルプが要ると感じることはありますか。

「母親の死をそうして見届けられたのはよかったし、父親もそれに心から参加していたのもよかった。でも、今、彼はちょっとさびしそうでね。元気をなくしてる。その父親の貴重なヘルパーであることが、今のぼくの学びだと思ってる」

ー あなたの経験は、わたしたちの経験でもあるし、こうして話してくれたから、はっきりそれを、意識できる。かけがえのない学びです。ありがとう。

「そして同時に、こんなことはどこにも起こっていないんだよね」