17. 選択の自由、選択の力

心の力とはたいへんパワフルなものだ、ということを前回お話しました。ご自分のいちばん大事な目的を三つ思い描いて、その三つをすでに実現している自分を感じる、という練習方法もお伝えしましたが、実行なさったでしょうか。
今回も、ワークをひとつ、お教えしたいと思います。前回同様、自分の心の力を実現、実感するためのワークです。

くどいほどに繰り返し言っていますが、人生に起こるすべてのことは、自分自身の選択によって起こしたものです。事故や病気もそうです。自分の能力や才能もそうです。人間関係や仕事環境、どれもこれも、例外なく、自分が選んで起こしたこと、なのです。好んで事故に遭う人はいないでしょうが、意識の底の、自分では気づきにくい部分で、それを選んでいるのです。
嬉しいことであれ、悲しいことであれ、あらゆる経験は自分で選んで起こしている、このことをまずは受け入れてみましょう。
ではなぜ、自分は今、この事故、この病気、この失恋、この失業、この貧困エトセトラを選んでいるのでしょうか。さっぱりわからない。しかしわざわざ選んでいるからにはそれなりの理由があるのだろう、と思うよりほかにないですね。事実、それを選ぶことによって得られるメリットはどんな事柄にもあります。その多くが、「熱を出して学校を休むとお母さんが特別やさしくしてくれる」という隠れた願望を持って発熱して学校をお休みしている小学生と似たような理由です。
ですから、どんな経験をしているのであれ「こんなことを選んでいるわたしが悪い」と自分を責めないことです。選んでいる”自分”は、何かのメリットをはっきりと見てそれを選びとっているのですから、叱りつけても無駄で、「お母さんにやさしくしてもらいたいと思うとちゃんと熱が出て学校が休めて、期待どおり甘えている。自分の思いってすごいな、思いは叶ってしまうものなんだな」と受け取るべきです。

たった今、ご自分が、どんな経験を選んでいるか、箇条書きにしてみましょう。健康面、経済面、人間関係、キャリア、あらゆる面を見渡して、書き出します。十個でも二十個でも、書けるだけ書き出したら、そのひとつひとつについて、もう一度、意志的に選択し直します。
たとえば、「丈夫でストレスに強い身体を持っている」という項目があったとしたら、この選択は、変える必要がなく、ますます丈夫で強くなりたいと願えばいいわけですから、「すばらしい!神さまに感謝! もっと感謝し、決してこのかけがえのない健康を害することのないよう、身体を大事にして人生をエンジョイしたい。恵まれたこの身体を使ってもっともっと人の役に立ちたい!」というような文章を書き記します。
あるいは、「わたしは母親に愛されていない。それがずっとわたしを苦しめている」という項目には、「おめでとう! お母さんは実はわたしを愛していました。『ありがとう、わたしも愛してる』と毎日繰り返そう。お母さんだけでなく、世界中の人々に、『ありがとう、わたしも愛してる』と言おう」と書いてみます。
以上のように、それぞれの項目を新しい選択に書き直していき、慣れてすっかり自分のものになるまで、毎日、新しい選択を読み、忘れないようにして日々を過ごしてみます。ほんの数日で、人生は変わりはじめます。加速して変わっていきます。新しい選択の目的/メリットはどれも、もっと感謝したい、もっと愛したい、ということなので、もっと感謝し愛する機会が、次から次へとやってくるからです。繰り返し打ち寄せるやさしい波のように、途切れることがないからです。
(初出誌 Linque Vol.18 発行:国際美容連盟2007年10月)